イイコでしょ?

声を震わせながら全てを話し終えた私の身体を、優しく包み込んだカズにぃの手。




止まらない涙はカズにぃのスーツに染み込んで、




ポンポン背中を撫でてくれる手が、温かくてまた涙が出る。






カズにぃはただ、





「美希はなんにも悪くない。」






私の涙が止まるまで、そう言い続けてくれた。


















「今日は仕事休め。そんな顔じゃみんな心配するから。」





そう言ってカズにぃは私に何かを手渡した。





「…コレは?」





「俺ん家の鍵。そんなんじゃ一人で居るの辛いだろ?俺ん家犬いるから、相手してやってよ。気が紛れんだろ?住所は直ぐにメールすっから。」





「犬…いや、でも。」





戸惑う私を置いてカズにぃは、あっという間に会議室を後にした。





カバンから化粧ポーチを取り出し、小さな鏡で顔を映してみる。




うゎ…




確かにグズグズで、これじゃ号泣して来ましたって言ってるようなもんだ。




それに夫婦間を疑われて成瀬さんに迷惑がかかるかも知れない。





今日はとりあえずカズにぃの言うとおり休んだ方が良さそう。




てか仕事もう始まっちゃって…





壁にかかった大きな時計を見ると、始業時間の9時をとっくに過ぎていた。




カズにぃに、悪いことしたな。




私のせいで遅刻させちゃった。





カズにぃに手渡された鍵には、どこか懐かしい星のキーホルダーが二つ付いていた。