イイコでしょ?

あ「なーんか料理が豪華過ぎてあんまり食べれなかったなぁ。口が庶民だからかなぁ。」





「店の前で堂々と文句垂れんなよ(笑)てか俺もだけど。」





「文句じゃないもん!褒めてるんだよ!」






「でも結局食わなかったんだろ?」






「まぁそうだけど。」






不貞腐れて唇を尖らせた私を見てカズにぃが、ほっぺたをツンと突つく。






「んじゃラーメンでも食って帰るか?」





「じゃあカズにぃのおごりで!あざーっす♪」






「はっ?誰の歓迎会だったか忘れたのか?と言う事で今日は美希のおごりですねー。」






「あれれ?財布忘れちゃったー!と言う事で、あざーっす♪」






おいおい!ってカズにぃが笑いながら私の後をついて来る。





昔に戻ったみたいに楽しくて、このギラギラした夜の街が、あのプラネタリウムがあった二人の街に景色が変わってしまったみたい。





クルリと振り返りながら名前を呼ぶと、






「ちょっと電話だ、ゴメンね?」





コートのポケットに入れていたケータイが鳴った。






成瀬さんだ。


何の用だろ。



歓迎会の事は言ってあるし…






不思議に思いながらも着信に出る。







「もしもし。」





「今どこだ。」





「今はお店を出て…」





「あぁ…見つけた。」





見つけた?



まさかと思い、キョロキョロと周りに目を向けてみると、なんだか見覚えのある車が、私達の横にスッと停車した。





「…成瀬さん?」





私が驚いた様子で車を見つめると、カズにぃが、どした?と不思議に目を丸める。





助手席側の窓が、音もなく開くと、奥の運転席には成瀬さんが居て。





「乗れ。」





「あ、でもカズにぃが…」





「何言ってんの?お前は俺の妻なんだろ?他の男の心配なんてしてんじゃねぇよ。」





車の奥の、怒気を帯びた声に少し怯んで言葉を失ってしまう。




すると横にいたカズにぃが、





「俺はいいから、美希は副社長と帰んな?」




そう言って優しく笑って私の背中をトン、と撫でた。





私は、ゴメンね、とカズにぃに言って急いで車に乗り込んだ。





後でメールでちゃんと謝っとかなきゃ。





私が乗り込むと直ぐに車は動きだし、遠く小さくなっていくカズにぃに小さく手を振った。