イイコでしょ?

何一つ知らされる事なく、カズにぃは遠い遠い、私の知らない所へ行ってしまった。






泣いて泣いて…





どれだけ泣いても涙は枯れる事なんてなくて。





でもどれだけカズにぃを想い泣いたって、ここにはもう居ないから、泣くのをやめた。





泣くのをやめて、夜空を見上げた。





カズにぃも、見上げてるかな。





せつないキモチを流星に乗せて、カズにぃのところへ届くように……






カズにぃの存在は私の中で、大切な大切な思い出になった。






その大切な思い出が、胸の奥からポロポロと零れ始めてて…






大人になったカズにぃと、





大人になった私が居て。





タバコを咥えたカズにぃが笑って、





おにぎりを食べてる私も笑って。





あの頃泣いてた私が、心の中で笑ってる。






思い出が、笑ってる。
















「私嬉しい。カズにぃとまたこうやって笑ってられるの。」





ペットボトルのお茶をユラユラ揺らして、出来た渦を見つめる。





カズにぃは、ん?と小さく返事する。





「だって急に居なくなっちゃうんだもん。もう会えないと思ってた。」





「淋しかった?」





なんでかな?




今なら言えると思った。





「…淋しかった。すごく。」





今だから言えると思った。





「淋しくて淋しくて、どうにかなりそうだった…」





グルグルと回る渦に、私の言葉が溶けていく。





そんな答えを求めてたワケじゃない。





だけど、





カズにぃの答えは、あの頃泣いてた私を両手ですくい上げてくれた。






「俺もだよ。」