イイコでしょ?













今日も残業か……






一人虚しくため息をついて、自販機前で少しの休憩をとる。





「疲れてる時は糖分取りなさい」お父さんの言いつけは今も無意識の内に脳に焼き付いてて。





ゴクリと喉を通るモモのジュース。






糖分取り過ぎのお父さんは、お腹がちょっとアレだけど。





思い浮かべてはクスッと笑った。






前を通り過ぎ帰りを急ぐ同僚達にも、笑ってサヨナラして、オフィスで待ってる海崎さんと松本さんの分のモモジュースを買って戻る事に。






企画、通ったはいいけど、ハードスケジュールに身体が追いつかず、サプリメントや栄養補助食品に頼る事も増えてしまった。






それでも翔さんのご飯はキチンとしておきたくて、朝に晩御飯の準備を全部済ませていた。






忙しいならいいって言われたけど、やっぱり仕事してるから家の事サボってるなんて言われたくないから。





それでもどうしてもしんどい時は、色んなとこでちょっとづつ手は抜いて。






今日はトイレ掃除いいや…なんて。






うーんと伸びをしながら長い廊下を進む。



















モモジュースを差し出すと、二人とも苦い顔をした。





お父さんの教訓を言って無理やり二人にも飲ませてあげると、甘い甘いと文句をいいながら飲んでくれた。
















「ずっと思ってたんだけどさー。」






海崎さんはパチパチと指を動かしながらポツリと私に尋ねる。






「ん?なに?」






「その写真何?」






チラッと視線を送った先は、私のデスクに挟んであった一枚の写真。





「あ、それ俺も気になってた。どこなの?」





松本さんの声は背中から聞こえてくる。




私も指は動かしたまま答える。






「これ?これはロサンゼルス。知ってる?」





「ロサンゼルスぐらい知ってるけど、何でロサンゼルス?」






「私の死ぬまでに一度は行きたい場所なの。」






「ロサンゼルスになんかあんの?」






「プリティウーマンって映画あるじゃない?私あれが大好きでね、あの映画の舞台がロサンゼルスなの!」