イイコでしょ?














「だって大ちゃん全然俺の事見てくれへんやん。」

亮は何故か剛くんのことを、大ちゃんと呼ぶ、剛くんはどちらかという小さい方なのに


「だからってチュウするバカがどこにおんねん!」





また移ってる。



亮の関西弁が。



亮と居る時はたまに移ってんの、自分では分かってねぇみたいだけど。







「ええやんそろそろ。なぁ翔くん?」





「ん、持ってけ。」





「あぁぁぁぁ!うるせぇ!!翔ちゃん早く車出せ!」





俺がキレられる理由なんて何一つないのに、それでも爆発寸前の剛くんと、後部座席からヒョコっと身を乗り出してニコニコと剛くんをガン見する亮を乗せて、マンションまで送ってやる。





信号待ちになると、さっきのパエリアと美希の写真を見て心を落ち着かせた。

















「亮車どうした?」





さっき雨の中ずぶ濡れで小さくなっていた奴と同じ奴とは思えねぇ程、ニコニコしている亮に尋ねてみる。





「今日は歩き。」




「なんで?雨降ってんじゃん。」




「だってああしてた方が、なんか可哀想に見えるやろ?」




「今すぐ降りろ。」






剛くんはこんな顔してるけど、結構部下達からは恐れられてる存在だ。




自分に甘くて他人に厳しいタイプ。




だけど仕事は真面目にやるし、やる時はしっかりやってくれる。




ただ下半身はだらしねぇけど。




亮は唯一、剛くんの心を掻き乱してる存在……だと俺は思ってる。




亮が女だったら、剛くんの下半身も少しは落ち着いてたのかも知れないな。




夫婦漫才のような二人の会話をBGMに、まだ降り止まない雨の街を走る。