イイコでしょ?

何してんだよ。





剛くんの口元がそう言っているのを読み取った。





見兼ねた俺が、亮の元へ行こうとするのを剛くんが止めて、結局自分で駆け寄って行って。




剛くんのグレーのスーツはあっという間に色を変えて、シャワーを浴びているようにビショビショで。






なんか…めっちゃキレてる。




剛くんのあんなにキレた顔は初めて見るな。





珍しい物を見るように、ぼんやりと二人の様子を眺めていると、キレ顔のまま剛くんはこちらに帰って来た。





と、同時に亮も、待って!と口元を動かしながら後を追った。



















「で、なに。」





俺には聞く権利があると思った。





だってずぶ濡れの二人を車に乗せてやってるから。





シートがグチャグチャで大迷惑だ。





車は駐車場で停めたまま、とりあえずこの事態の理由を聞こうと思い、まだ鍵も差してない。





「まだ怒ってんの?」





俺でなく、亮は助手席に座る剛くんに向けて、関西訛りの言葉で伺うように声をかける。




「怒ってるも何も、おかしいだろうが。」




「何が?」




「何が?じゃねぇだろ!お前昨日俺に何したか分かってんのか!」




「えっ?チュウやけど。」





俺は、そんなやり取りを特に驚きもせず、黙って聞いていた。




だって、亮が剛くんの事を好きなのは、誰が見ても一目瞭然だったから。




だから、




やっと動いたか…と思う程度で。






「お前キモイんだよ、寝込み襲うなんて犯罪だぞ!ってかお前オス!俺もオス!バカか!」





俺から見たら好きでもねぇ女を取っ替え引っ換えしてる剛くんの方がバカだと思うけど。



喉元まで出たセリフをゴクリと飲み込んだ。