Sho side
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「やっぱり翔さんは赤が似合いますね!」
少し曲がったネクタイを、キュッと締め直しながら、今朝のあいつの笑顔を思い出す。
月一の予算会議を終わらせ立ち寄ったトイレで、鏡の中の一際目立つ自分の中心に伸びる真っ赤なネクタイ。
ブレスレットのお返しだとかで美希が今朝プレゼントしてくれた。
正直俺はお返しなんか要らないし、貰えるなんて欠片も思ってはいなかった。
プレゼントなんてただあげたかっただけ、俺の自己満足だ。
喜ぶ顔が見たかったのに、結局は自分から差し出すのは恥ずかしくて見れずに終わったけど。
あれから毎日身に付けてくれてるって事は気に入って貰えてんだろうと勝手に解釈してる。
それで満足だ、俺は。
だけど…
「今日の副社長のネクタイ、すごいイイですね!」
なんて部下から言われると、嬉しくて堪んなくて。
顔がニヤけるのを必死に隠して、ありがとう、と一言。
わざわざ俺の好きなブランドを調べて買ってきてくれた美希。
誰よりも何よりも、俺を愛してくれている可愛い美希を、不仲だとほざくバカな社員達に見せつけてやりたくて。
だけどやっぱり自分から
俺の嫁さんが俺のためにプレゼントしてくれた物だ、
とは言い出せなくて。
鏡の自分に舌打ちをした。
・
・
・
これから自分のオフィス、(正確には副社長室)に戻り残った仕事を片付けないといけないんだけど、
俺の足は給湯室の直前でピタリと止まった。
それは中から聞こえてくる秘書達の話し声のせいだ。
ここの秘書は由香を含め4人いる。
出張が終わってから由香の専属は外れ、以前と同様社長である俺の父親に付いていた。
社長は今取引先の会社へ由香と一緒に出てるから、どうやら給湯室に居るのは由香を抜いた3人。
給湯室でお喋り、なんてよくある事で、普通なら俺もこんなの素通りして気にもとめない。
だけど今日は話の内容が内容で…
つい足が止まった。
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「やっぱり翔さんは赤が似合いますね!」
少し曲がったネクタイを、キュッと締め直しながら、今朝のあいつの笑顔を思い出す。
月一の予算会議を終わらせ立ち寄ったトイレで、鏡の中の一際目立つ自分の中心に伸びる真っ赤なネクタイ。
ブレスレットのお返しだとかで美希が今朝プレゼントしてくれた。
正直俺はお返しなんか要らないし、貰えるなんて欠片も思ってはいなかった。
プレゼントなんてただあげたかっただけ、俺の自己満足だ。
喜ぶ顔が見たかったのに、結局は自分から差し出すのは恥ずかしくて見れずに終わったけど。
あれから毎日身に付けてくれてるって事は気に入って貰えてんだろうと勝手に解釈してる。
それで満足だ、俺は。
だけど…
「今日の副社長のネクタイ、すごいイイですね!」
なんて部下から言われると、嬉しくて堪んなくて。
顔がニヤけるのを必死に隠して、ありがとう、と一言。
わざわざ俺の好きなブランドを調べて買ってきてくれた美希。
誰よりも何よりも、俺を愛してくれている可愛い美希を、不仲だとほざくバカな社員達に見せつけてやりたくて。
だけどやっぱり自分から
俺の嫁さんが俺のためにプレゼントしてくれた物だ、
とは言い出せなくて。
鏡の自分に舌打ちをした。
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これから自分のオフィス、(正確には副社長室)に戻り残った仕事を片付けないといけないんだけど、
俺の足は給湯室の直前でピタリと止まった。
それは中から聞こえてくる秘書達の話し声のせいだ。
ここの秘書は由香を含め4人いる。
出張が終わってから由香の専属は外れ、以前と同様社長である俺の父親に付いていた。
社長は今取引先の会社へ由香と一緒に出てるから、どうやら給湯室に居るのは由香を抜いた3人。
給湯室でお喋り、なんてよくある事で、普通なら俺もこんなの素通りして気にもとめない。
だけど今日は話の内容が内容で…
つい足が止まった。
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