イイコでしょ?













「うふふ…しょーさぁーん!抱っこ♡」






「……」






なんで私が玄関で翔さんに♡付きで抱っこをねだっているのか、




言わなくても分かるかも知れないけと、ベロベロに酔っているから。






じゃなきゃ翔さんの前でこんな痴態は晒さない。






どうしてここまでベロベロになったのかと言うと…

















「こうしてゆっくり4人で食事出来る時間を設ける事が出来て良かったよ。」






目尻に数本の皺を刻んだお義父さんが優しく微笑んだ。






「そうね、貴方の仕事が忙しいばっかりに、中々出来なかったものね。」






ぷっくりと膨らんだお義母さんの唇が、優しく弧を描いた。






目の前の料理は勿体無いぐらいに美しく彩られた物ばかりが並んで、私はうろ覚えのテーブルマナーを気付かれないように必死だった。






翔さんとお義父さんが仕事の話をする中、耳を傾けながらも緊張を解す為、出された年代物の赤ワインに数分置きに口を付けた。

















「あら?そのネックレスもしかしてあそこのお店のかしら?」






突然フられた話に、ワイングラスを摘まんでいた手をビクッと止める。






お義母さんが見つめる先には私の首元に輝くネックレス。






「これは翔さんに買って貰った物なんです。」






「やっぱり。翔はあそこのお店が好きなのね。」






「えっ?」






「私の誕生日プレゼントはいつもあそこのアクセサリーなのよ。」






と、得意気に言ったお義母さんにすかさず翔さんが、






「母さんが毎回頼んでくんだろ?変な言い掛かりしないでくれよ。」






落ち着き払った口調で呟いた。





お誕生日に…




毎回って事は…





と、頭の中であの時の店員さんの笑顔を思い浮かべた。






そういう事か、と一人納得して安心すると、再びグラスを傾けた。