イイコでしょ?













車に乗ってやって来たのは、南青山にある高級フレンチレストラン。






オシャレな門構えを抜ける前に、立ち止まって三回深呼吸をした。






「なにしてんだ。早く行くぞ。」






「だ、だって緊張する…」






お義父さんには会社でたまーにだけど会う。




なんせ社長なんで会った時もいつも震える程緊張して…





結婚したのがおかしな理由からだったから、余計にお義父さんって気がしなくてどうしても「社長」の肩書きが先に出てしまう。






お義母さんとも結婚式の時に打ち合わせなんかで何度か会っただけで、それ以来ほとんど会う機会もなく。






凛としててとても綺麗な人だったので毎回緊張して…






四人で食事なんて初めてだししかもこんなに突然だなんて…






緊張し過ぎて唇が乾いちゃう。





せっかく綺麗に塗った口紅も、何度も舐めてしまって台無し。






「お前の両親は俺の両親でもある。俺の両親はお前の両親でもある。そうだろ?」






だから大丈夫、とでも言うように私の緊張を解してくれる言葉をかけてくれた。






それでも不安で唇を噛む私に、噛んだ唇を撫でるようにキスをしてくれた。






驚いて辺りにキョロキョロと視線を巡らせると、翔さんの笑い声が耳に届いて、その瞬間固まっていた心がフワッと形を崩した。







いくぞ、と言われて差し出された翔さんの右手をキュッと掴んだ。