イイコでしょ?

「ベッド行く?」






やっと唇が離れたと思えば、妖艶に笑ってはそんな事を言う。





「はい…あ!じゃなくて!」





「んだよ。今そんな流れだったろ。」






「いや、あの…ちょっと聞きたい事が、あって…」





と、流れを止めてしまってから、これは今流れを止めてまで聞くべき事じゃないな、と後悔した。





「何の話?どうでもいい事だったら後で……」





唇の端を上げて、言葉の最後にフン、と笑った翔さんの、後で……の言葉を想像して、ゾワゾワと肌が緊張した。





これはどうでもよくても、そうじゃなくても、きっと後で……





諦めて翔さんに、恐々ブレスレットの意味を尋ねてみた。





「このブレスレット…何かの記念のプレゼントだったんですか?色々考えてみたんですけど全然出てこなくて…私が忘れてただけだったのなら本当に申し訳ないんですけど…」





チラチラと見上げながら様子を伺う。




翔さんはフゥ、と一息ついてから、





「別に意味なんてねぇよ。取引先のジュエリーショップの社長が新作だっつってくれたモノ。」






えぇ?なんだ…




と、ショックを受ける間もなく…






「ダメじゃん翔ちゃん嘘付いちゃ。」






「えっ?」

私と翔さんの声がハモる