イイコでしょ?

五日ぶりの翔さんとは、最悪の再会を果たし、まともに顔も見れずに…






だけど翔さんはクローゼットで小さくなる私をヒョイと軽々持ち上げる。






翔さんの腕の中で、きゃっ!と小さい悲鳴を上げると、眉を寄せた翔さんと視線がぶつかる。





「あの…ごめんなさい…」





「それはもう何度も聞いた。」





「でも、まだ怒ってる…」





「だとしたらどうすんの?」





「……。」





どうすれば許して貰えるのか、バカな私には検討も付かず、黙りこんでしまうと、



深いため息が耳にかかったと思うと同時に、翔さんは私を抱えたままスタスタと歩き出した。






二つ並んだベッド、空いている方に私をゆっくりと座らせると、翔さんは疲れたように横にバタンと倒れ込んだ。






「翔…さん?」






「あぁ…だめだ。時差ぼけがひでぇ。」





ポツリと小さく呟いて、人差し指でトントンとこめかみを押さえる。





ほんと辛そう…大丈夫かな。





静かに、髪に触れてみる。






翔さん、ごめんなさい。




会いたかった。





ずっと、会いたかったよ。





心でそう呟きながら。
















腕で顔を覆う翔さんの髪をしばらく撫でていると、何時の間にかスゥスゥ…と小さな寝息が聞こえて来て、眠ってしまった事を知る。





何やってんだろ、私。




こんな事して翔さんに心配かけて。





帰ったら玄関でおかえりなさい!って出迎えて、たくさんお土産話聞いて、



私の僅かに増えた料理のレパートリーを一緒に食べて、ぎゅって優しく抱きしめて貰って…





そんな風に考えてたのに。





自業自得な今の状況を見て、自分が嫌になった。