イイコでしょ?













ゆっくりと開かれた扉。





なに?





逆光で佐藤さんが真っ黒に見える…





ベッドルームの光に目が眩み右手で逃げるように顔を覆った。






終わった…こんなカッコで、何て言えば…






「みぃーっけ。」



















眩しさにだんだんと目が慣れてくる。





そこで見たのは、しゃがみ込んで視線を合わせ、ふわふわの笑顔をした佐藤さんで心が少し安心する。





いつもの、佐藤さんだ。





事情を言って謝ろう。





きっと許してくれるはず。





そう思い、謝ろうとスゥ…と息を吸うと、






「地獄に落ちろ、だって?聞いた?ドラマでも聞いた事ないよねー?」





「へっ?…あ、はい。」





「ムカつくよねー。売名で近付いて来たくせにさ。」





「えっ?いや、でもカレンさんはそんなんじゃ…」




「今すっごい気分悪いの。誰のせいだと思う?」





ジリジリと近付いた佐藤さんの手は、私の頬にそっと触れる。




ふわふわの笑顔は崩れない。




その笑顔に背筋がゾッとする。





目が、笑ってない。




怖くて怖くて、後ずさりするけど、直ぐに壁へとぶつかった。





「いいの着てるね。そこ、狭いから出ておいでよ。」






「や、やだ、いいです。私帰りますから!」





触れていた手をゆっくりと払いのけながら言うと、佐藤さんはなんで?と、目を丸めて首を傾げた。






「男こんな場所に呼び出しといて、帰るは…ないんじゃない?」






払いのけたはずの手は、首筋から鎖骨、ジリジリと下へ降りて行く。





もうダメ…翔さん、ごめんなさい…





混乱した頭の中で翔さんの名前を何度も呼んだ。





何度も何度も…





何度も呼んだ。





翔さん助けて…




















「何してんだお前。」




翔…さん…