イイコでしょ?












_____コンコン





最初にやって来たのはルームサービスで、カレンさんが頼んだ上のレストランの食事だった。





カレンさんは食事より先にワインを手に取ると、キュッキュッとコルクを抜き始めた。






「飲むんですか?」




「飲んだ方が上手く喋れるの、私。それに緊張しちゃって…」





そう言ってボトルのまま口を付けようとするカレンさんを慌てて止める。






「ちょ!ちょっとそれはやり過ぎ!ちゃんと話し合いたいならお酒の力なんて借りずに…」






傾くボトルをガシッと捕まえて興奮しているカレンさんを宥めようと試みるけど…





「いいから飲ませてよ!あんたなんかに私の気持ちわかん無いでしょ!」





「カレンさんっ!!」





ダメだ、止めらんないよ。





興奮しきったカレンさんには到底叶わず、もみ合いになり足がふらつくと、バランスを崩して後ろへ倒れこんでしまった。















「いったたた…」





なんか…あれ?冷た…





立ち尽くすカレンさんがペコペコと私に頭を下げる。





ふと自分の胸元を見ると、持っていたワインで真っ赤に染るシャツ…





はぁぁ…と、大きなため息が出る。






「ぐちょぐちょ…」



















ちょっと時間がかかると言っていた佐藤さん。





その間に私はシャワーを浴びさせて貰う事に。






カレンさんがフロントに言って汚れたシャツをクリーニングに出して、代わりのシャツを用意してくれるよう頼んでくれた。





本当ついてない。





今頃お家でブリの照り焼き食べてたのにな…





頭からシャワーを被りながら、今日の不運も流れてくれるよう願った。