イイコでしょ?












何で私がこんな目に…





男女のいざこざ、しかも大物カップルのに付き合わされて、私はあのカレンさんのお願いに根負けし、



話しの後そのまま二人で駅前の有名ホテルへとやって来た。






大きな入口の自動ドアを抜けていくカレンさんの足取りは興奮しているよう。





私もその後に遅れないよう続いた。





あぁ…ブリの照り焼き。





お腹空いたよぉ!





でもそんな訴え、今の彼女にはしない方がいい。





さっきの誘いの電話で、酷く傷付いてる彼女には。

















「あれれ?カレンが居る。」






そう言ったのはエレベーターで鉢合わせした海ちゃんで。





今日はとことん驚かされる日なんだと、朝の占いはどうだったか思い返す。





海ちゃんは隣にマネージャーらしき女の人と一緒で、私とカレンさんの顔を、丸めた目で行ったり来たり…





「海こんなとこで何してるの?」





二人の会話で、お互い友達なんだと分かる。





「あたしは上のレストランでPVの打ち合わせ…で?カレンと美希ちゃんは、オトモダチ?何で二人でホテルなんかに?」





「あの、それは…」





「あーっと、あれだよ、小学校が一緒だったのよ!それで今日ここで人集めて私の誕生日会するの。ねー?美希ちゃん!」





さすが女優、素知らぬ顔して簡単につくり話を…きっと知られたくないんだな。





合わせるようにブンブンと首を縦に振った。





これでいいのかな?






「ふぅーん、そうなんだ。何か変な組み合わせだ」





はははー♪と楽しそうに笑ってる海ちゃんだけど、私…ちゃんと笑顔作れてるかな?





海ちゃんはマネージャーに急かされると、





「バイバーイ。美希ちゃんあたしとも今度遊んでねー♪」





と、掌をパタパタと振りながら行ってしまった。