イイコでしょ?












優子さんから聞いてた通り、開業して間もない新しい産婦人科はすごく綺麗で、



待合には大きな水槽に名前も知らない熱帯魚が綺麗なヒレを優雅に揺らせて泳いでいる。





今日は休日の為、待合も廊下も薄暗かったけど、置いてあるインテリアも素敵なものばかりだった。





「俺、弟の子どもが産まれた時以来だわ~産婦人科来るの!」





「私も検診とかでしか来た事ないからちょっと緊張するー!」





はしゃぐ私たちを尻目に、新井さんは無言で後ろから気だるそうについてくる。





この人がこんな場所に居るのが…合成にしか見えない。





二階へ上がり、一番奥にある優子さんの病室へと向かう。





______コンコン。





乾いたノックの後に、海崎さんがお邪魔しまーす!とドアを開けた。






いきなり目に飛び込んで来たのは、松本さんのパパ姿。





ソファーに座った松本さんの腕の中には、産まれたばかりの小さな命。





おめでとうよりも先に可愛いーーっ!が来ちゃったのは申し訳ないけど、やっぱり可愛い!





慣れない手つきで、でも本当に嬉しそうに抱っこしている松本さんが、なんだかすごく頼もしく見えて。






「結局どっちだったの?」





「女の子。」





「うわ~!めっちゃちっちぇーよ!ほらすげーちっちぇー!!」





優子さんがベッドに腰掛け微笑む。





それはもう優しいお母さんの顔になってて。





私の目にはキラキラと輝いて見えた。




「美希ちゃんも抱っこしてみて?」





私の周りで子どもを産んだ子なんて居ないし、ましてやこんな産まれて間もない赤ちゃんなんて抱っこした事なかったので、怖くて見てるだけだったけど。





「抱っこしてやって?」





立ち上がった松本さんが、腕の中の赤ちゃんを差し出すようにクイと少し動かした。





「大丈夫かな…落としそうで怖いよ。」






大丈夫だからと、二人に言われるがまま、松本さんからおくるみに包まれた眠ってる赤ちゃんを、そっとそっと受け取った。