イイコでしょ?

「結婚するんだし、色々覚悟は決めてたけど…

ちょっとでも優しくしてくれたらそれで私は十分なのに、全部受け入れるのに。

なんでそんな意地悪ばっかりするのよ!」





両手の甲で顔を隠しながら言い放つと、成瀬さんも被せるように、強い口調で返してきた。





「いつまでたっても俺のモンになんねぇからだろ!結婚までしたのに。なんなんだよ、好きなヤツが居るとか、ふざけんじゃねぇよ!」






「成瀬さんだもん!私が好きなのはずっとずっと成瀬さんなんだもん!……もう、やだぁ…」






勢いで言ってしまって、その上ワンワンと子どものように泣き喚いてしまい。





もう消えてしまいたかった。






恥ずかし過ぎて成瀬さんの顔なんてもう一生見れない!






両手で顔を覆い、ヒックヒックと泣いていると、フワッと全身が成瀬さんの体温で包まれた。






首元に埋れた成瀬さんの顔。






はぁ…と、力が抜けたようにのし掛かった成瀬さんの身体。





「お前、それ早く言えよ。ずっと勘違いしてたってワケ?」





何も言えずに黙り込んでいると、成瀬さんがククッと笑ったのが分かった。






ぎゅっと強く抱きしめられ、再び首筋をチュッと音を立ててキスされた。






「美希は俺の事好きなんだ?」






いたずらっ子みたいに話す成瀬さんの弾む声が、直接脳に響くみたいに痺れる。






呼び捨てで呼ばれた事に胸がきゅぅっと押しつぶされる。





瞳は潤みっぱなしなのに、悔しくてなんでもないみたいに返答する。





「な…なんですか。」






「誰にも靡かねぇぐらい俺の事好きなんだ?」






「…ダメ…ですか」






「…やべえ。んな反応すんな。続き、したくなるだろ。」






続き、と聞いて顔を真っ赤にさせドキドキと心臓が高鳴った。






「しないんですか?」






「すっげえしたい…けど、奥さんのバージンはもうちょっと大事にとっとく。」






と言って、今度はふんわりとした優しいキスを額にちゅっ、としてくれた。