イイコでしょ?

翔さんへのプレゼントのお返し、どうしようか悩んでる間に、時間はあっという間に過ぎてしまい、結局何も買わずに帰る羽目に。





だって翔さん何でも持ってるんだもん。




何でも持ってる上にセンスいいから私が選んだ物を喜んで貰えるのか不安だし。





理屈っぽい言い訳を並べ、結局何も決められなかった優柔不断な自分にウンザリする。






でもまぁ出産祝いは買えた事だし…






はぁ…と、息を吐いて足を踏み入れたのは、近所のスーパー。





今日の夕食の材料を買いにやって来た。





いつも仕事帰りに寄るのもココで、水曜の特売日には卵が99円になる。





それ目当てにいつも水曜日はダッシュで帰ってるのも、翔さんには恥ずかしいから内緒。






オレンジの買い物カゴを右手に引っ掛け、野菜コーナーから順に品定め。





今日何にしよっかな~。




翔さん居ないし作りがいないんだけど…





練習だと思って作っちゃおっかな、こないだのヤツ。





二人で料理番組を見ていた時に、翔さんが美味しそう、と唯一口走った料理。






ピザって…強力粉?だっけ…

















私しか居ないのに…





両手に抱えた丸々太った買い物袋。





ピザの材料揃えたらこんな沢山になっちゃった。





これこそ無駄遣いかも。






重くてヨタヨタしてしまう足取りで、何度か休憩を挟みながらやっとの事でマンション前まで辿り着いた。





手が千切れるよ…





ロビーでコンシェルジュのお姉さんに手伝いましょうかと言われたの、断るんじゃなかったな。





エレベーターが来るのをボンヤリと待っていると、後ろから男女の楽しそうな会話が聞こえてきた。





だんだんと近づくその声に、何となく耳を傾けてみると…





あれ、この声。





確信をもって体ごと振り返ってみると、後ろから来た男女が1m先でピタリと足を止めた。





「カズにぃ?!」





「おう、美希。」





カズにぃがここに居るのにも驚いたけど、それ以上に驚いた事…





「…倉橋海?」