イイコでしょ?

「あっ!それ可愛いね。」





午前中の会議が一段落ついたところで、隣に座っていた海崎さんが私の腕に光るブレスレットを見つけた。






海崎さんの前に自慢気に腕を差し出して見せつけてやる。





「可愛いでしょ。プレゼントなんだよ!」





「何かの記念日だったの?」






「えっ?記念日…」






「プレゼントでしょ?記念日だからじゃないの?」





言われてみれば何のプレゼントなんだろうと、ブレスレットを見ながら首を傾げた。





「記念日…とかじゃないと思うんだけど…」






「ふぅーん。ねぇどこのヤツ?女子のプレゼントの参考に教えてっ!」





興味津々で尋ねて来る海崎さんに、後ろから来た松本さんが顔を覗かせ言った。





「あ、それ多分相当ヤバイよ。とてもじゃねぇけど海崎さんには手がでねぇ代物だよ。」






「えっ?そうなの?」





ここ見て?と、松本さんがハート型のチャームを指す。





よく見るとチャームの裏に赤く輝く宝石のようなものがはめ込まれていた。





「コレが高いの?」





「うん。多分それレッドダイヤじゃねぇかな?」





レッドダイヤ?と、海崎さんと声を揃えて聞き返した。





「レッドダイヤって、殆どの人間が名前すら知らねぇレア中のレア。生産量が少ねぇからすげぇ貴重なんだよ。」






「ヘェ~、なんで新くんはそんな宝石に詳しいの?」





「優子が前宝石屋で働いてたからな。そういう本が家に山ほどあんだよ。」





納得したように二人同時にコクリコクリと頷いた。





「だからそれ特注なんだと思う。」





「特注…オーダーメード?」





「やっぱり何かの記念日なんじゃないの~?そんな高いモンなんでも無い日にくれるかねぇ~普通。」






「なんだろう…ぜんっぜんわかんないよ!!」






あらゆる頭の引き出しを開けて考えてみたけどやっぱり何も出てこない。





レッドダイヤ…





こんな高価な物だったんだ。





ユラユラと揺れる、真っ赤な粒を瞳に写し、遠く離れた翔さんを想った。