イイコでしょ?

「もしもし翔さん!やっと電話来た!今何処ですか?そっちは今、朝ですよね!時差ボケ大丈夫ですか?お薬持ってます?」




「お前犬だな。」




「えっ、何ですかいきなり犬だなんて。」




「主人が大好き過ぎる犬。きゃんきゃんきゃんきゃんうるせぇぞ。シッポ振るな。」





って言ってるけど、きっと口元緩んでる。




嬉しい時の話し方だ。





「それよりもう着いたんですか?フライトお疲れ様でした。」




「あぁ。これからNYの支店に行って会議がある。お前はもう家か?」




「着いて早々ですか、大変ですね。こっちはなんか…」




チラリと新井さんに視線を向ける。



相変わらずの感じで、一向に帰る気配はない。




「あの、新井さんが…なんかついて来ちゃって。今マンション前なんですけど…何か話通じないし、困ってるんですよね…」




「そう。電話代わって?」





言われるがままに、ケータイを新井さんの前に差し出して、翔さんからと言うことを告げる。




私とケータイをジッと見てからケータイを受け取り、話し始めた。





私には新井さんの声しか聞こえないけど…





「ちゃんとやってんでしょ。これで本当にあの件許してくれんの?」





あの件?ってなんだろ。





「大丈夫大丈夫。分かってるよ~いちいちうるせぇなぁー翔ちゃんは。」





何の話してんだろ。





「やるわけねぇよ。こんなメス犬。」





ん?メス犬?





「あぁーっ!うるさいうるさい!キレんなよ。んじゃ代わるからな。」





直ぐに耳からケータイを離し、ホイ、と言って投げられたのを慌ててキャッチする。





「ちょ!ちょっと新井さん!落としたら…」





怒ってみるけどやっぱり無駄で、右手でシッシッと追い払われた。






悔しくて唇を尖らせながら再び電話に出る。