イイコでしょ?













「あの、何でついてくるんですか?」





「んーー?」





残業中も、部長の席に踏ん反り返って漫画を読んでいた新井さん。





私の他にも残業していた人は居たので、あれは聞き間違いで実はそっちを待ってるんだと思ってたけど…





仕事を終え席を立つと、新井さんもスタッと立ち上がり、






エレベーターに乗り込むと、漫画を読みながらヒョイと一緒に乗り込んで、





会社を出て歩き出すと、同じように後ろをついてくる。




漫画を読みながら。






私がピタリと立ち止まると、やっぱり同じように立ち止まった。





流石におかしいと感じ、振り返って尋ねてみたけど、視線は漫画に向けられたままで、話を聞き流されてるようだった。






「ちょっと!なんなんですか?何で私の後を?」






「うるせぇなぁ、今いいトコなんだよ。黙って歩け。」






言っても無駄だったみたい。





ついてくる意味はわかんないけど、怒られるのはイヤだから仕方なく駅まで歩き出した。





方向が一緒なのか?




それだけなら私を待って一緒に行く必要なんてないし。





まぁ、流石に家にまでついてくる事はないでしょ…


















「……。」





「うわー、なんじゃコイツ。怖っ」





怖いのはこっちなんだけど…




と、目の前で漫画を読んで一人笑ってる新井さんに突っ込みたい。




「あ!のっ!ここ私のマンションなんですけど!!」




マンション前。




ちゃんと脳にまで届くように、耳に顔を寄せて叫んだら、下から舐めるようにメンチを切られた。





「んだよ。耳痛えだろうが!」





「だっ!だからなんで私のマンション…」





さほど怖く感じなかったから言い返そうとすると、途中、ポケットに入ったケータイがブルブルと震え出した。





言葉を遮られ、フンと鼻息を鳴らすと、新井さんは再び漫画に視線を戻しケラケラ笑い出した。





「なんなのよまったく…」





新井さんの行動に呆れながら、ケータイを取り出すと、画面を見て直ぐに機嫌が直る私。





翔さんだっ!