イイコでしょ?

「あれ?おはようございます。家この近所なんですか?」





朝日が差し込む駅のホームには、沢山のサラリーマンやOLの姿。




それに混じって私の前を歩くのは、





「ん…違うけど?」





新井専務の眠そうな声が聞こえて来た。





違うのになんでこの駅に居るんだろうと首を傾げながら、丸まった背中を見つめた。

















「ねぇ、あっち乗れば良かったのに。」





ドア付近で人に潰れかけてる私に、隣で一緒になって潰れてる新井さんがボソッと言った。





あっちとは女性専用車両の事だ。





「いや…なんとなく…です。」





本当は新井さんが居たから一緒に居た方がいいかなーと、勝手に判断していつもは乗らない車両へ乗り込んだんだけど…




この人やっぱり何考えてるのかさっぱり分からない。





会社では翔さんとよく一緒に居るところを見るし、翔さんの口から新井さんの名前はよく聞くから、翔さんとは一番親密な人なんだと思う。





大きなアクビをしている新井さんを横目に、私は頭の中を幸せだった今朝のシーンへと巻き戻した。