イイコでしょ?

冷えた身体が翔さんの体温で溶かされていく。





「お前を…泣かせるつもりはなかった。由香との事も昔の事だし、言う必要ないと、勝手に自己完結させて…悪かった。」





答える代わりに、鼻を少し啜った。




鼻の奥がツーンとして痛い。





バカだ…私本当にバカ。






こんなにも私を優しく包んでくれる人が、私を愛してくれてないはず無いのに。






「過去の事とは言えキチンと話しておくべきだった。」






「あの…ごめ、もう…大丈夫ですから。」






「つか俺がどんだけお前の事…ぁあクソッ!なんで伝わってねんだよ。」





イライラしたような息遣いで言葉を吐くと、腕の力がぎゅっと増した。





「…翔さん?」






「俺はそういう言葉を軽々しく言う奴は大っ嫌いなんだよ。」





翔さんの言うそういう言葉って言うのが、好きとか愛してるとか、そういう類の物だと直ぐにピンときた。





だけど…聞きたいよ。




今の私には翔さんからの言葉がなによりも薬になるのに。






横にぶら下がったままの両腕を翔さんの背中にそっと回して、お互いの鼓動を感じた。





「だから、身体で感じ取れ。」





「えっ?」





「だいたい俺はこんな事教えてねぇぞ。色仕掛けなんてな、お前にはまだ10年早えんだよ。」





「ん?」






と、呟くと直ぐに、膝の裏に腕を差し込み、横向きにヒョイと持ち上げられた。






キャッと小さな悲鳴を上げて、落ちないように翔さんの身体にぎゅっとしがみつく。





フッと翔さんの顔を見ると、直ぐにでも唇が触れそうな距離で、鼓動が一気に速度を増した。





バチリと視線を合わせると翔さんの口元がピクリと上がった。






「受け取れ、俺のアイを。」





「な…にを」






「覚悟は出来てんだろ?言ったもんな、抱いてくれって。」





「いや、あのそれは…」






「つかもー無理。んなカッコされたら俺もう我慢出来ねぇ。」





私を抱えたまま、スタスタと部屋へ入りベッドへストンと降ろされた。






「えっ?ちょ、待って!ほんとに?」





私が起き上がる前に、直ぐに覆いかぶさるようにベッドに飛び乗った翔さんは、妖艶な表情で上から眺める。





「俺の全てを、お前にやる。だからお前の全て、俺にくれ。」