イイコでしょ?

「海の家って…ここ?」





目の前にそびえ立つタワーマンション。





確かここって…美希の家もあったよな?





そだよ?と言いながら自転車の後ろから降り立ち、こっちだよ、と駐輪場まで案内する。






「しっかしすげぇトコ住んでんだな。」





マンション内をキョロキョロ見回しながら、ため息の出そうな程広いロビーを歩く。





「事務所が用意した部屋だよ。あたしからしたら牢屋。無駄に広いしさみしいだけ。」





「ふぅーん。そういうもんか。大変だな、有名人は。」





そう言うと、海が立ち止まり目を丸めてこっちを向いた。





知ってたの?って目が訴える。





「今日知った」





「おせーよ」

















「んじゃね。ありがと。」





「ちょっとお嬢さん。なんか忘れてね?」





エレベーター前で、ポケットからケータイを取り出して海の前でフリフリしてやる。




すると海が顔を赤くして小さくなった。





「あた、あたしケータイ家置きっぱなしだ。また今度…」





「じゃあ取りに行こ。はい、何階?」





「いや、いいよ今度で。もう遅いし面倒でしょ。」






「ダメダメ。今度やろうは馬鹿野郎なんだよ。あれ?明日やろうだったっけ?」





「ははっ懐かしい。ドラマのセリフだ!」





「そうなの?」






海が、なんで知らないの?って笑ってエレベーターのボタンを押した。