イイコでしょ?

「てかビショビショ。帰ろ?送ってく。」





「あたし今日チャリだし。いいよ、リリ可哀想だし。早く帰ってやって?」





そう言って、脇に手を入れ抱きかかえていたリリを俺に差し出した。




受け取ろうとした時にお互いの指が触れると、意識し過ぎの海がドラマみたいにビクッと肩を揺らして固まった。





それがちょっと可愛くて、クスクスと笑っていると、海は不思議そうに俺の顔を覗き込んだ。




少し言いにくいけど…




隠してるのもなんか嫌だから…





「ゴメン海。」




「何が?って、前の番号の事ならもういいからね?ほじくり返されると余計…」





「そうじゃなくて、ってそれもそうなんだけど。俺さっき聞いちゃったんだよ。海がリリに話してる内容…」





俺は精一杯頭を下げるが、海は、そっかそっか…と納得したように頷くと、そっと歩き始めた。


















「あれ?海聞いてる?」





スタスタと前を歩く海のスピードがだんだんと上がる。





ビーサンがドロドロじゃん。





「全然聞いてる。それより今すっごく恥ずかしくて顔見れないから、ちょっと時間ちょうだい?」





なんだそれ。




海の恥ずかしがってる顔を想像すると口元が緩む。




海の邪魔にならないようリリを抱きしめながら黙って後を追いかけた。





駐輪場まで着くと、雨もパラパラ程度に落ち着く。





真っ赤なママチャリの前で立ち止まり大きく深呼吸する海の背中を眺める。