イイコでしょ?

「初めて和くんを見た時ね、すごく…泣きそうな顔して星見てた。


その時直ぐに、あの星の向こうには誰かが居るんだなーって思って。」





美希の事だ。




俺はいつも、もう手の届かない美希を想いながら星を見上げてた。




今はどうかな。




少しは前に進めてる?





「だけどさ、好きって気持ちは止められないよね。相手に他の誰かが…居たとしても。」





海…




肩を落としてリリを抱きしめる海の後ろ姿が、とても小さくて消えてしまいそうで。




冷たい雨が、余計に海を小さくさせているように思えた。




聞くべきじゃなかった?




海の気持ち。




知りたかったけど、その先は?




俺はどうすればいい。




考えたところで答えなんてすぐには出て来ない。




俺はスッと海の背後へと近付いた。















「そこのお嬢さん。ナンパしたいんだけど、良ければ番号教えてくんない?」





俺の声に反応し、首だけを振り向かせた海。




街灯の頼りない灯りに照らされた顔には、雨なのか涙なのか…




眉根を寄せた海が、俺を見上げて唇を噛んだ。





ズズッと鼻を啜って、俺にいつもの笑顔を見せてくれた。





「あたしの番号めちゃくちゃ高いよ?お兄さん出せるの?」





ホッとする。




この子のこの笑顔にホッとすんだ。




濡れてグチャグチャになった頭を、照れ臭そうに揺らしては、俺を見てまた照れ臭そうにはにかんだ。