イイコでしょ?

「カズにぃ最近元気ない。何かあった?」





「そりゃお互い様じゃね?」





こうやって一緒に居るだけで、何かあったんだなって分かっちゃう私たち。





昔ずっと一緒に居たからこそ分かる微妙な変化。





自販機の前に腰を下ろした二人には、今それぞれに悩みを抱えてて、それを打ち明けられるようになったのはすごく嬉しい事。





やっぱりカズにぃとは何でも話せる仲でありたい。





たとえそれが異性の悩みでも。
















「確かにあの秘書のおじさんは向こうの支店長だし…毎回行ってたんなら行かない方がおかしいのかもしんないけど……まぁ嫌だわな。」





タバコを咥えたカズにぃが、私に鋭い視線を向けると余計に凹む。





吐いたため息は、苦い缶コーヒーの中へと吸い込まれた。





「元カノなんだよ?元カノと一緒に旅行なんだよ?しかも海外!私だってまだ一緒に旅行行った事無いのに!!」





「そんな不安なら不安だー!っつって一緒に行けばいいじゃん。金魚のフンみてぇにくっ付いて。」




「そんな事出来るワケないじゃん!絶対無理っ!」




「旅行ってか仕事だからね。副社長は美希にメロメロなんだから心配しなくても大丈夫だって。


ま、向こうはどうだか知らねえけど。」





私の膨れた顔に喝を入れるように言葉をくれたカズにぃ。




けど。





「一言多いっ!!また不安になって来たじゃんバカァ」





煙を吐きながら笑って謝るカズにぃが、昔と同じ笑顔をしててそれだけでも心が少し癒された。

















ポケットから取り出したiPodを、カズにぃが不思議な顔をして覗き込む。





「最近落ち込んだ時に、音楽聞いてるの。大好きな歌聴いてると嫌なこと忘れられるから!」





「現実逃避~」





「それが何か?」





ニッと口元で笑っては、一つイヤホンを耳に入れて、もう片方をカズにぃの前に差し出した。





「なに?」





「一緒に現実逃避しよ?」