「今度どっか連れてってあげよっか?」
「えっ?ソレで?」
眉を顰めてバイクと海をジッと見つめた。
「もちろん!しゃーないから後ろ乗っけてあげる♪」
「やだよおっかねぇ」
「じゃあリリ乗っけてあげる」
「殺す気か」
二人のフワリとした軽い笑い声に混じって、リリが楽しそうに吠えた。
今日も空を見上げれば、春の夜空に小さな輝きがポツポツ。
二人と一匹で居ると、星を見ても笑って居られんだ。
自分がちゃんと笑えてる事に、安心する。
安心して海を見ると、こいつもなんだか安心したように俺を見ていた。
・
・
・
ケータイの着信音が鳴り響く。
俺は常にマナーモードだから、直ぐに海のだという事が分かった。
バイクに跨ったまま、ジャケットのポケットを漁りケータイを取り出した海が、画面を見てめんどくさそうに顔を顰めた。
わかりやすいぐらい大きなため息を吐いて、電話の相手と話し始めた。
「まだ!」
…
「だからまだだって言ってんの!そんな急かされたら出来るもんも出来ないじゃん!」
何の事だろ。
よくよく考えたら、俺海の事名前とフリーターって事しか知らねえわ。
声を荒らげながら、電話の相手に、まだ!を繰り返す海をぼんやり眺めていると、少し海が遠く感じた。
不機嫌そうに電話を切ると、ケータイに向かって、ベーっと子どもみたいに舌を出していた。
何の事だか俺には全然わかんなかったけど、俺が立ち入る事じゃないのは確か。
だから俺は何も聞かない。
何も聞けない。
・
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「えっ?ソレで?」
眉を顰めてバイクと海をジッと見つめた。
「もちろん!しゃーないから後ろ乗っけてあげる♪」
「やだよおっかねぇ」
「じゃあリリ乗っけてあげる」
「殺す気か」
二人のフワリとした軽い笑い声に混じって、リリが楽しそうに吠えた。
今日も空を見上げれば、春の夜空に小さな輝きがポツポツ。
二人と一匹で居ると、星を見ても笑って居られんだ。
自分がちゃんと笑えてる事に、安心する。
安心して海を見ると、こいつもなんだか安心したように俺を見ていた。
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ケータイの着信音が鳴り響く。
俺は常にマナーモードだから、直ぐに海のだという事が分かった。
バイクに跨ったまま、ジャケットのポケットを漁りケータイを取り出した海が、画面を見てめんどくさそうに顔を顰めた。
わかりやすいぐらい大きなため息を吐いて、電話の相手と話し始めた。
「まだ!」
…
「だからまだだって言ってんの!そんな急かされたら出来るもんも出来ないじゃん!」
何の事だろ。
よくよく考えたら、俺海の事名前とフリーターって事しか知らねえわ。
声を荒らげながら、電話の相手に、まだ!を繰り返す海をぼんやり眺めていると、少し海が遠く感じた。
不機嫌そうに電話を切ると、ケータイに向かって、ベーっと子どもみたいに舌を出していた。
何の事だか俺には全然わかんなかったけど、俺が立ち入る事じゃないのは確か。
だから俺は何も聞かない。
何も聞けない。
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