イイコでしょ?



Kazuside








「おまっ!他人のバイク勝手に乗るなって!」





「これあたしのだよ?ブ~ン!ほらカッコイ?」





公園の駐輪場に停めてある大型のバイクに跨った海が、やけに自慢気に顔を緩ませる。





あれから毎日のように、散歩と称して俺は海に会いに行っていた。





それは単純に…




不思議な雰囲気の海に、興味が湧いたから。





海は決まってギターを抱え、初めて会った日の場所に、同じように歌ってんだ。





どこか切なくて儚い歌声を響かせて。
















「海大型の免許持ってんの?意外過ぎて一瞬引いた」





「そう?バイクは好きなの。」





「ガンガンママチャリ漕いでるイメージ」





「なんか貶されてる感じするけど、当たってるから何も言えない」






海がギター背負ってママチャリ漕いでる姿が簡単に想像出来た事に、笑いが込み上げた。






海があははって笑う。




俺も同じように笑う。






俺たちはただそこに居て、他愛ない言葉を交わし、何も考えずに笑ってた。





そうする事で、俺は美希を思い出へと変えようとしていたのかもしれない。





ずっと消えなかった胸の痛みも、海の歌声を聞くと不思議と和らいだ。





利用してる?



そう聞かれると、違うとは言い切れない。





恋しくて恋しくて、行き場を無くした時、




そこへ行けば海が居て、俺に語りかける様に歌う。




それで俺は勝手に癒されてんだ。