イイコでしょ?

素敵な人。




容姿端麗。




品行方正。




なんて私とはかけ離れてる四文字熟語が頭を回る。





井上さんがカップに紅茶を注ぐのを、ただ横で見つめるだけの私。





凹む…



ただただ凹む…





小さな顔は私よりも視線が高くて、スタイルの良さが際立つ。





睫毛長いな。




肌が綺麗。




ハーフみたいな端正な顔立ち。






「私何かついてますか?」






「わっ!!ごめんなさい私ったら見惚れちゃって…」






ハッとして慌てて顔を伏せる。




なんだか恥ずかしくなって両手で頬を包み隠した。





「見惚れるだなんて面白い人ですね!」





クスクスっと上品に笑う姿にドキっとする。





綺麗な笑い方、絶対真似できないな。

















ダイニングテーブルにはカップが三つ。





一つを手にした私だけど、後の二つは必要無かったのかも知れない。





中々部屋から出てこない翔さんの様子を見に、井上さんは翔さんの部屋へ行ってしまったから。





私が何日もかかって入ったあの部屋に、あの人はいきなり来てすんなりと入ってしまった。





何だろ…





すごく苦しい。





井上さんは仕事の事で来てるだけであって、別にそんな……





と思うけど、やっぱり黒い感情が邪魔をする。





何してるんだろ…





気になって気になって、部屋の前を行ったり来たり。





何も聞こえて来ない。





余計な妄想が頭を駆け巡り、目頭が熱くなる。





私何考えてんのよ。





バカ…

















「それでは、夜分遅くに失礼しました。」





「あぁ、悪かったなわざわざ。」





大理石の玄関に、コツンと彼女のヒールの音が響く。





少しピンク色に染まった頬を、緩々と緩めながら頭を下げた。





ほんとに好きなんだ…と思った。





井上さんの目。




あれは特別な人を見る目。





私が翔さんに向ける目と一緒だ。





そう思うと、なんだか胸の奥がぎゅっと掴まれるように苦しくなった。