イイコでしょ?

「あ、私やりますよ。」





飲み物を出してやろうとキッチンへ入ると、座っていたハズの井上さんがサッと現れて手伝い始めた。





「あの、すいません。」





なんで謝ってんだろう。





ティーパックが入っている小瓶を取り出しながらモヤモヤし始める。





それはだんだんと、心の中で風船みたいに膨れ上がっていく。

















「あれ?ダージリンは無いんですか?」





渡した小瓶を不思議そうに眺める井上さんに、首を傾げてしまう。





「ダージリン…?」





「翔くんダージリンティー大好きなんです。ご存知じゃなかったですか?」





「いや…あぁ、はい。すいません。」
















だからなんで謝ってんのよ。





私絶対今泣きそうな顔してる。





唇をぎゅっと噛み締めて睫毛を伏せると、それを察した井上さんが、





「すいません。私余計な事…」





気を遣われると余計に惨めな気持ちになるの…私よく知ってる。




みっともないなぁ。




今出来る最大限の笑顔を作り、顔を上げた。





「いや、そんな事ないです!すいません。翔さんダージリンティー好きなんですね!へぇー、今度買って来なきゃ!」





これ以上気を遣われないように、ニッと歯を見せて笑うと、同じように笑いかけてくれた。