イイコでしょ?













「なんだ、疲れてんのか?」





そう言った翔さんの顔も、少し疲れてるように思えたけど、そんな翔さんに要らぬ心配をかけたくない。





そもそも、不安がる事なんて無いのに。





私の、旦那さまなんだから。

















助手席のシートに、深く座り直し、眉を下げるよう意識しながら答える。





「全然疲れてませんよ!仕事早く終わったし、翔さんとの食事も美味しかったし!


えっとー、何でしたっけ?鯛?マグロ?あれすっごく美味しかったぁ!」





動揺すると、変に口数が増えてしまう癖を喋りながら思い出して、なるべくいつも通りを貫いた。









だって、今更そんな昔の事…




て、いつの事だろ。





いつ付き合ってたんだろ。





どれくらい付き合ってたんだろ。





頭の中が、黒く塗り潰されていくみたい。





いやだ。









せっかく久しぶりに翔さんとの食事デートだったのに。






私のせいでぶち壊しになったら、私自分が許せない。







歪んだ心をぎこちない笑顔で隠して俯きかけた顔を上げ、まっすぐ前を見た。