イイコでしょ?

「翔さん、ご飯出来てますよ。」






翔さんは帰宅後直ぐにお風呂へ入る。





お風呂から上がった翔さんに、レンジで温め直したハンバーグを食べて貰おうと、テーブルに並べた。





のに。





「うぅ…疲れた。」






気怠そうに呟きながら、キッチンでお茶を入れていた私の元へやって来て、ぎゅっと右手を掴まれた。





「なっ?へっ?」





戸惑っている私を引っ張ってソファーに座らせると、翔さんが私の膝に頭を乗せてゴロンと転がった。






「翔…さん?ご飯…」





「今はこっち。メシは後で食うよ。」






ボンッと顔が熱くなる。




翔さんが私のお腹にぎゅっとしがみつき、顔を埋めたから。




こんな甘えてる翔さん…初めて。




よっぽどお仕事大変なのかな?




小さく丸くなってる翔さんを見下ろし、嬉しいと同時に心配になった。





思わず頭に手が伸びる。






猫みたいに頭を撫でてやると、私のお腹でフフン、と笑った。





可愛い…






いつも強気な翔さんも好きだけど、たまにはこうして甘えてくれるのもイイな。






「行ってんの?ジム。」





「もっちろん!三日坊主なんて言わせないんだから!」





「で?俺に見せる気になった?」





そう言われ、直ぐに優子さんの恐怖体験話を思い出す。





「いや、それはその…ね?」





わかりやすいため息をつかれてちょっと凹んだけど、まだ…心の準備が。




いい歳して、すごく情けないんだけど…




こんなキモチで無理やりしても、翔さんに悪いし。





逆に私がまだ10代の女子高生だったら…




きっと好きだっていうだけで躊躇いなく出来たのかもしれない。





こんなに申し訳ない気持ちになるんだったら、私も高校生の頃に終わらせとけば良かったのかな…






そんなネガティブな事ばっかり頭に並べて、ただひたすらに翔さんの頭を愛おしく撫でた。