イイコでしょ?

「美希ちゃんとこはまだ子供、作らないの?」






ニコニコしながら無邪気に話す姿は、私達夫婦の経緯を何も知らないから。





赤ちゃんどころか、まさかまだキス止まりだなんて思わないだろうな。






なんて返せばいいのか分からずに、いや…と、言葉を濁す。






「はっ!!ダメだよね、そんなデリケートな事聞いちゃ…ごめん!気付かなくって。」





「あっ!いやいや、大丈夫ですよ、そういうんじゃなくて…ウチはまだ新婚なんで…ね?」





自分を責めるように俯いてしまった優子さんを、宥めるように声を掛けてやった。





本当ごめんね?と何度か謝られたけど、私にはそんな事全然よくて、それよりも気になる事が…






「優子さんの初体験っていつでした?」






私の唐突な質問に、優子さんの目が点になってしまった。





そりゃこうなるか。





変な事聞いちゃったなと、口に出してから気付き自分にがっかりした。





そもそもそんな事聞いてどうしたいんだろう。





自分のソレに活かせる要素なんてないでしょ。





「いきなり何言うかと思ったら、初体験って!そんな遠い過去、忘れちゃったよ(笑)」





「えっ?!そんな早くに?!」





「別に早くはないと思うけど?確か高校1年の夏だったな~。」





遠くを見つめ、懐かしむように呟く優子さんに、驚きを隠せない。




高校1年?!



しかもしっかり覚えてるし!!



私からしたら激早なんだけど…





身体を前のめりに聞き返すと、リアクション大っきい!と笑われた。





「あんな痛いもんだと思わなかったからさ、びっくりして涙出ちゃって、相手もびっくりしてオロオロしちゃって」






向かいに座って笑いながら過去の青春を話す優子さんの話は、私にとっては背筋も凍る心霊体験話のような…





その行為に対して、マイナスのイメージしか植え付けなかった。