もっと、君の近くへ

きっとこの私のドキドキも、駿太は気付いてないんだろうな。




いや、このドキドキ 気付かれて欲しくない。




駅のホームに入り、きっぷ売り場に並ぶ。




画面を手際よく操作しては、お金を入れてきっぷを買っていくみんな。




みんな電車に慣れてるみたいで、1分もせずに帰ってくる。




「あ、真由はもう買ったの?」




「ええっと……あはは…その……」




由梨を見ると、駿太の方をちらっと見て「今がチャンス!教えてもらうチャンス!」とでも言うかのように、私の目に訴えてくる。




「はは…その……買い方、わかんなくて」




ははっ、と力なく笑う。




なにやってんの、早くしないと電車来ちゃうよ……




「じゃあ、教えるよ。こっちきな?」




ふっと笑って、優しく声をかけてくれたのは紛れもない駿太で。




その優しい言葉一つで、とくんと脈が高鳴る。