もっと、君の近くへ

そのまま差を伸ばしてゴール。





その時の、笑いながら友達と喋っているあいつの顔を見ていた。







どきっ。




背が高くて、走りが速い。


そして、あの笑った顔。






「おーい、どこ見てんの?」




上を見ると、由梨がニヤニヤした顔でこっちを見ている。


「ど、どっこも見てないよっ」





慌てて目線を外す。






もうちょっと、見てたかったかも。