ごめんね。好きで。

「後ろの方でなんだか、承太郎と花京院が転入生と盛り上がってやがるぜ。アヴドゥル。俺のタイプなのによ。キ〜！悔しいぜ！この、ポルナレフ様を差し置いて〜！！」
と、承太郎たちの席からかなり離れた席で話している二人。一人は、ジャン=ピエール・ポルナレフ。そしてもう一人は、モハメド・アヴドゥル。二人は幼馴染で兄弟のように仲が良く、この高校ではかなり有名だ。
あ、申し遅れました。私はカンペと申します。このように紹介等で【声】を入れさせていただきます。
まあ、そんなことはさておき。ンドゥール先生のHRが終わると、クラスメイトがわっとエイリーン（と呼ぶことにしましょう）の近くに集まり、「日本語ペラペラね！」や、「もし良かったら、連絡先交換しようぜ！」等と、承太郎が机に座っているのにも関わらす、ガヤガヤ騒ぎ始めた。
僕は承太郎の方を向き、イライラしていないかを確かめた。しかし、承太郎はと言うと、帽子を顔が見えないくらいまで深く被り、確実に怒鳴り散らす程騒がしくしているはずなのに、なにも耳に入っていないようだった。僕は承太郎の袖を掴み、裏庭にあるベンチまで走っていった。