ンドゥール先生がHRを始めると、花京院が後ろを向き、橘に声を掛けた。
「やあ。始めまして、僕の名は花京院典明。花京院、と呼んでくれると嬉しい。で、隣の席の椅子で遊んでいるのが空条承太郎。よろしくね。」
花京院のことだけならばまだしも、俺のことまで説明するのはおかしいのではないだろうか?と思い、俺は椅子をガタガタとさせて、気を紛らわせた。すると隣から声が聞こえてきた。
「はイ!よろシくお願イしまスね!典明君!」
と、花京院とは呼ばずに典明と呼んだ。花京院はああやって挨拶をして花京院君と呼ばれるのが当たり前だと思っていて、悔しかったのだろうか。それとも、普段は名前で呼ばれないから、恥ずかしくなったのだろうか。どちらかは解らないが、顔を赤くした。次には、俺の方を向いて、
「私ノことハ、橘でモ、エイリーンでモ、鈴華とでモ、呼んデ下サいね!承太郎君!」
と、満面なる笑みで話しかけてきた。クソっ。こういう、鈍感で誰にでも仲良くできるような奴がタイプの女なんだよ…。しかも、全部当てはまってるし。