ごめんね。好きで。

「おんやぁ?承太郎。君、中々やるね。」
と、今まで本当に空気だったアヴドゥルとポルナレフが話しかけてきた。俺は、こいつに泣いてほしくなかったから涙を拭っただけなのに、一番バレたくない二人に、バレてしまった。返事を返さないでいると、橘が日本語で言った。
「あ、ありがとうゴザいます。デモ、ワタシにはもうカマワナイデください。もう、ミナサンに迷惑をカケタクナイ…。だから、ドウカ…。」
と、迷惑を掛けたくないという気持ちのこもった、精一杯の言葉が聞こえてきた。俺は、その言葉に腹が立ち、スタープラチナを出した。すると、橘は驚いた顔をして言った。
「あ、アナタも、幽波紋使いナノですか?!!名前は、ナンナノデスカ?」
と聞いてきた。すると、ポルナレフとアヴドゥルと花京院も幽波紋を出す。すると、橘も幽波紋を出した。
「私の幽波紋の名前ハ、Mon temps musical…。ミュージカル・タイムデス。そちらの、緑色の方ハ、名前は?」
と、花京院の方を向いて言った。すると、
「僕の幽波紋は『ハイエロファント・グリーン。(法皇の緑)』という。」
と、先程までと違った態度で話した。
「あ、アリガトウゴザイマス。ハイエロファント・グリーン…。ソチラノ、赤い方は?」
と、次にアヴドゥルの方を指さしながら言った。
「私の幽波紋は、マジシャンズ・レッド(魔術師の赤)だ。名前も教えておこう。モハメド・アヴドゥルという。よろしく頼む。」
と、橘を連れて行った時と同じ態度で話した。
「アヴドゥルさん、ですね!よろしくお願いします。マジシャンズ・レッド…。ソチラノ、銀色の方は?」
と、本当に空気だったポルナレフの方を指さしながら言った。
「俺の幽波紋は、シルバー・チャリオッツ(銀の戦車)。そして、俺の名はジャン=ピエール・ポルナレフ!よろしくな!」
と、空気から逃げ出そうと、一生懸命な自己紹介をした。
「シルバー・チャリオッツ!カッコイイですね!ポルナレフさんは、フランス人デスか?」
と、一番質問が多い返事をした。すると、ポルナレフはパァッと明るくなり、(気に入られた!)という顔をした。
「あ、ああ!俺はフランス出身だぜ!もしかして、橘さんもかい?」
と、頑張って話を盛り上げようとした。すると、奥のほうから先生がやってきて、ポルナレフ、花京院、アヴドゥルを「うるさくするなら出て行って下さい。」と言って追い出してしまった。残ったのは俺と橘だけ。ヤバイ。先生に布団に入りなさい!といわれて、しぶしぶ入っていく姿が可愛すぎる。すると、橘が気を利かせて、
「承太郎君の幽波紋はナンナノデスカ?とっても強そうデ、気にナッて…!」
と、満面なる笑顔で聞いてきた。
「俺の幽波紋は、スタープラチナ(白金の星)だ。」
と、手早に片付けた。すると、
「…。私の幽波紋ニハ、秘密がアルノデス。聞いて欲しいのですが、イイですか?」
と、一瞬は満面なる笑顔を。次には、苦しそうな、悲しい笑顔をした。俺は、
「勿論聞いてやる。なんだ?話せ。」
とだけ言って、椅子に座り込んだ。