〜キーンコーンカーンコーン…〜
「ねえ、知ってる?今日、転入生が来るんだって〜。」
「え、マジで!女子かな?」
等と、今日やってくる転入生の話で教室がざわつく。うるさくて耳障りな声に、俺は少々イラ立たっていた。1つ前の席に座っている花京院典明が、俺の殺気(?)に気付いたようで、こちらに振り返り
「そんなにイライラすると、また変な噂がたつよ。落ち着きなよ。承太郎。」
と、言ってきた。俺は、
「…。ああ。わかってるが…。こんな小さな部屋でガヤガヤされると耳障りなんだよ。」
と言ってやった。
すこしキレ気味の承太郎をなだめていると、教室の扉が開き、担任のンドゥールが入ってきた。
「今日は転入生をこのクラスに迎える事になりました。入りなさい、橘さん。」
ンドゥール先生が廊下側に声をかけると、教室へ一人の女子生徒が入ってきた。そして、
「ァ、アメリカからやってきました!橘・エイリーン・鈴華デス!ドウゾ、仲良くシテください!」
と、まだ少し日本語に慣れていない様な感じで挨拶をした。
彼女の髪は金髪のロングで、てっぺんに団子を作っている。目はコバトブルーとエメラルドのオッドアイ。体は細く、脚も長い。身長は160cmほどで、まさにお人形のようだった。
「彼女、承太郎のタイプじゃないか?ほら、物静かで美人で、優しそうじゃないか。」
と、僕は承太郎をはやしてみた。しかし、それが図星だったらしく、
「…。やれやれだぜ。俺は女なんて好きになるかよ。」
と、珍しく照れ隠しをした。するとンドゥール先生が、
「席は、空条君。君の隣でいいでしょう。」
と言って、承太郎の隣の空席を指さした。
承太郎は帽子を深く被り、椅子で遊び始めた。
橘という少女は、周囲のクラスメイトに挨拶をしながら指定された席に座った。
(皆サンと、仲良クなれるかな?)