「花音!?」

「あははははは・・・・・・」


気付いていなかったのか、少し驚いている様子の風夜に花音は苦笑する。


「・・・・・・でも、結局来たんだね」

「無理矢理休みにされて、連れてこられたんだよ。おまけに時間まで戻れないようにされた」

「それじゃあ」

「それでも俺は、継承式に出るつもりはない」

「・・・・・・頑固だな」


そう風牙が呟いた時、花火が上がる音が聞こえてきた。


「あ・・・・・・」

「始まったみたいだな」

「花音、戻らなくていいのか?」

「うーん、いいや」

「「はっ?」」


花音の言ったことに二人は少しだけ目を見開く。


「多分、皆も私がいないこと、気付いてないと思うし、終わる前に戻れば大丈夫だよ」

「なら、この頑固者の説得手伝うか?」

「ふふ、そうしようかな」


ニヤリと笑って言った風牙にそう返すと、風夜は勘弁してくれというように溜め息をついた。