「よかった。なんとか間に合ったわね」


継承式が始まる二時間前、現れた聖羅がそう言ってほっとしたように笑う。

彼女の後ろには一緒に来た神蘭達の姿もあった。


「もう少し早く来る予定だったんだけど、ちょっと準備に時間が掛かってしまってね。・・・・・・神麗」

「はい。・・・・・・あなた達には先に渡しておこうかしら」

「「?」」


聖羅から視線を受けた神麗が水晶のようなものが付いているブレスレットを渡してくる。


「これは?」

「私達との通信機能がついているの。お互いに連絡がつけば、色々役に立つこともあると思ってね。まぁ、あなた達は手首に二つつけることになってしまうけど」

「いえ、ありがとうございます」

「態々人数分用意したのか。ご苦労なことだな」


素直に受け取った花音とは違い、余計な一言を付け加えた光輝に花音は苦笑した。