風の城へと入ると、そこには丁度来たところらしい夜天達の姿があった。


「やっと来たか」

「まぁ、これでも急いで終わらせてきたんだよ」


声を掛けた光輝に夜天がそう返す。


「そっちは結構早かったみたいだな」

「元々街だから国に比べると楽だしな。それにお前達と違って、既に光の街として出来上がってるからな。俺の仕事量が一番少ないんだろう」


前半を夜天達に、後半を凍矢達に向けて光輝が言う。


「まぁ、確かに私達は一族を呼び戻してから、街を再興させてた訳だしね」


それを聞いた星夢が苦笑する。


「そういえば、風夜からは何の連絡もないのかい?」


大樹に聞かれ、花音は風華がいないことを確認してから口を開いた。


「・・・・・・来ないんじゃないかな?もし来たとしても、私達の前には姿を見せないと思う」


それは風夜に会いたいという様子の風華には、はっきりとは言えないことだった。