次の瞬間、黒姫は瓶を取り落とし、その場に崩れ落ちる。

かと思うと、彼女の身体に異変が起こり始めた。

身体が徐々に巨大化し始め、異形の者へと変わっていく。


「な、何・・・・・・?」

「・・・・・・まずいな。出るぞ!」


巨大化する黒姫の姿が天井に達するのを見て、このまま此処にいるのは危険だと判断したらしい風夜が叫び、花音は彼に抱えられる。

その状態で踵を返した風夜に続いて、神蘭が聖羅を庇いながら、風牙と封魔がその後ろについて部屋を飛び出す。

その直後、変化し続ける黒姫の身体から黒い触手のような物が何本か出て来たのが見えた。