警戒する様子のない風夜に、花音も視線を向けると、そこには下の階で別れてきた風牙と封魔の姿が見えてきた。


「風牙!封魔さん!よかった!」


多少の傷を負ってはいるものの、元気そうな二人の姿に花音も表情を明るくする。


「そっちも終わったのか?」

「ああ。少しだけ手こずったけどな」

「っていうか、お前達は何をしていたんだよ?」


辺りを見回して、風牙が聞いてくる。


「見ての通りだ。数ばかり多くてな。時間が掛かった」


答えながら、風夜は肩を竦める。


「神蘭と聖羅様は?」

「二人は先に行ったよ。私達も今、追い掛けようとしてたの」

「そうか」


封魔が呟いた時、上の階から爆発音が聞こえてきた。


「今の!?」

「ああ、急ぐぞ!」


言った風夜に頷き、花音達は走り出した。