「ん?何だ?花音もいたのか?」

「うん。ちょっとね」

「それでお前はどうしたんだ?」

「ああ」


風夜の問い掛けに、風牙は真剣な表情をして話し始めた。


「さっき神界の奴等が来てな。明日、黒姫のいる空間に乗り込むから、万全の状態にしておけだと」

「最終決戦ってことか・・・」

「・・・いよいよだね」


そう言いながら、一度だけ見た黒姫の城を思い出す。

黒姫を守る五将軍はもういない。

だが、黒姫もそう簡単には自分の元へ辿り着かせないだろう。

何かしら策を講じているのは間違いなかった。