「何っ?」


それに男が驚いた表情をする。

上まで引き上げられ、花音の足が地面に着くと、それまで腕に巻き付けられていたものは解かれる。

気付いた時には、風夜、神蘭、封魔に背で庇われていた。


「お前達、一体何処から入ってきた!?」


三人の姿を見て、男が信じられないと言うように言う。


「花音の矢のお陰で大体の居場所はわかったからな。お前の力が弱い部分に繋げてもらった」


風夜の言葉で、賭けで放った空間属性の矢が届いていたのだと知る。

それにほっとしていると、いつ現れたのか、窮姫の声が聞こえてきた。


「私は邪魔が入らない内に始末しろと言った筈よ。なのに、これはどういうことかしら?」


そう言って、不機嫌そうな表情を浮かべた窮姫に男は不敵な笑みを浮かべた。