光の少女Ⅴ【決戦編】



「・・・・・・何とか説得しての妥協案があれだったんだよね」

「まぁ、帰ってしまったものは仕方ないさ。俺達も戻らないと」

「・・・・・・そうね。残念だけど、諦めるしかないわ」


大樹に頷いた水蓮が、風華を促し踵を返す。

ついで踵を返す光輝達に気付かれないよう、花音は彼等からは死角になっていた場所を見る。

其処からは丁度翼を生やした風夜と風牙が飛び去るところだった。



「姉上?」

「どうした?何かあったのか?」

「ううん。何でもないよ」


ついてきてないことに気付いたらしい光輝と夜天にそう返し、花音はもう一度だけ二人が去っていった方向を見る。


(・・・・・・またね)


そして、もう姿は見えない二人に心の中で呟くと、花音は先を行く光輝達に追いつく為走り出した。