「えっと、この辺りかな?」


謎の人物に言われた通り、南に向かって数分、花音達は足を止めた。

よくはわからないが、少しだけ雰囲気が違う気がする。


「刹那くんだったら、もっときちんとわかるんだろうけど・・・」


そう呟きながら、空間属性の矢を数本用意する。

それを何もない空間に向けて放てば、空間の歪みが出来た。


「よし、行こう」


三人に声を掛けて、その中へ足を踏み入れる。

そして、飛ばされる前にいた空間へと戻って来ると、そこにいたのは窮姫ではなく、高笑いしている魔族の男だった。