「へぇ、雅也くんねぇ…」


黒く低い声が私の身体に響く。


「そ、そう佐田雅也くん。最近勉強教えてもらってたの!」



「佐田雅也って、あの王子かぁ〜」



とぼんやり考える渚くん。


なんだか段々と黒くなっている涼介くんオーラ。




私なんか自爆しちゃった感じ!?



涼介くんを見つめると、凍りそうな視線で睨まれてしまった。




そして黒い涼介くんが一言



「そのチョコ俺によこせ」


「え、え、やだよ!」




「チッ、もういい」



そう言うと私がいくら声をかけても無視されるのようになってしまった。


機嫌は相変わらず悪いまま。



やはり私が何かやらかしてしまったのだろうか。




なんとかして理由を聞きたかったけど、無視されるし、休み時間が終わってしまっため私は渋々自分の教室に戻っていった。