「別にそんなこと思ってないわよ!」
「ふぅーん…」
とにかくっ!
早くそれ返してっ!!
「ほら、返してやるから。」
またしてもあたしの心を読み取ったように、腕から目的のものを取り外してあたしの前に差し出した。
奪ったくせに潔(イサギヨ)すぎない?
「ありがと…」
何故こんなヤツにお礼を言ってるのかは不明だけど、ゆっくりと彼に手を伸ばした。
「何、素直に騙されちゃってンの?」
「へっ…?!」
突然あたしの手を掴み、自分の方へと引き寄せて。
「…でもそういうとこがいいんだけど」
「ンんっ……?!!」
避けることもままならないうちに、あたしの唇は完全に彼に塞がれていた。
